rPET/PCRシュリンクフィルムとは、使用済みPETボトルなどから再生されたリサイクルPET(rPET:recycled PET)や、消費者使用後の回収材を原料とするPCR(Post-Consumer Recycled)樹脂を活用した、環境配慮型のシュリンクフィルムです。従来のバージン材(新規原料)に比べ、資源循環・CO₂削減・脱石油資源の観点から注目されています。
特に近年は、企業のサステナビリティ方針や環境規制・ブランド要請の強まりを背景に、「フィルムを薄くする」だけでなく「原料そのものを再生材に置き換える」という発想で、包装材にrPET/PCRを採用する動きが拡大しています。ラベル・スリーブ用途や集積包装、保護包装など、用途に応じて様々な仕様が検討されています。
rPET/PCRシュリンクフィルムは、環境配慮を訴求したい製品や、包装材の再生材比率を高めたい企業の取り組みで採用されます。
rPET/PCRシュリンクフィルムを食品用途で使用する場合は、他の樹脂フィルム同様に「ポジティブリスト制度」の適合確認が必須です。
rPETやPCR材は環境面でメリットが大きい一方、リサイクル工程・原料由来・添加剤設計などにより品質特性が変わるため、樹脂本体だけでなく、添加剤・印刷インキ・接着層を含めた全構成物質で適合していることが求められます。
食品関連の用途で採用する際は、必ずメーカーからPL適合証明書(適合書)を取得し、想定する使用条件(温度、接触の可能性、保管条件)に合致するか確認することが重要です。
rPET/PCR材の採用は環境価値の向上に直結しますが、再生材ならではの注意点もあります。導入前に両面を理解することが重要です。
最大のメリットは、バージン材の使用量を削減し、資源循環を促進できる点です。製品の環境訴求(PCR含有率の明示など)にもつながり、企業のESG・サステナビリティ施策として評価されやすい取り組みです。
近年は小売・グローバルブランドを中心に、包装材の再生材比率を求める動きが強まっています。rPET/PCRシュリンクフィルムを採用することで、取引先要件・調達基準・社内KPIへの適合を進めやすくなります。
rPET/PCRはベースがPET系であるため、設計次第では透明性・剛性・印刷性など、PET系素材の長所を活かした仕様が可能です。特に外装用途では、「環境配慮」と「見栄え」の両立を狙える点が魅力です。
再生材は原料ロットや由来によって色味が変動することがあり、透明度や微細な濁り(ヘイズ)、黒点などが課題になるケースがあります。特に高級感や完全な透明性を重視する用途では、グレード選定と品質基準のすり合わせが重要になります。
同じ厚み・同じ形状でも、再生材比率や設計(多層構造、添加剤)によって収縮挙動やシール性が変わります。既存ラインに導入する場合は、シュリンク温度・風量・ラインスピードの再調整が必要になることがあります。
PETボトルにスリーブやフィルムを使用する場合、ラベル材が分別・剥離しにくいとリサイクル工程の負荷になります。rPET/PCRを採用しても、設計が不適切だと循環に逆行する恐れがあります。ミシン目加工、易剥離設計、分別表示などの配慮が重要です。
rPET/PCRシュリンクフィルムは「環境性」だけでなく、包装品質・生産性・リサイクル配慮まで含めた仕様選定が重要です。
まず決めるべきは、どの程度のPCR含有率を目標にするかです。含有率を上げるほど環境価値は高まる一方、外観・物性・加工条件がシビアになる傾向があります。
用途によって必要な強度・剛性が変わるため、厚み選定が重要です。一般論としては、外観と加工安定を両立しやすい厚みに余裕を持たせる設計が安全です。
rPET/PCR材は設計により収縮挙動が変わるため、単純な「収縮率の数値」だけでなく、温度帯による収縮の立ち上がり(収縮カーブ)が重要です。容器形状・トンネル方式(熱風/蒸気)に合った収縮特性を選定してください。
既存ラインへの導入では、以下の観点で評価・テストを行うことが推奨されます。
導入前にサンプル評価・ラインテストを実施し、品質基準(外観・強度・剥離性)を明確にしたうえで採用判断することが重要です。
rPET/PCRシュリンクフィルムは、再生材を活用することで資源循環とCO₂削減に貢献できる、環境配慮型の包装資材です。企業のサステナビリティ戦略や調達要件に対応しながら、包装の機能性・意匠性を維持できる点が大きな魅力です。
一方で、外観ムラや物性ばらつき、加工条件の最適化、そして「リサイクルしやすさ」への配慮など、導入時に確認すべきポイントも多く存在します。再生材比率・用途・品質基準を整理し、実機テストを踏まえて最適仕様を選定すれば、環境価値と包装品質を両立したパッケージを実現できます。
「凹凸のある容器を美しく包装したい」(仕上がり重視)、「シンプルな容器を簡単に包装したい」(効率重視)、「複数の容器をまとめて包装したい」(集積重視)という3つの目的別におすすめのシュリンク包装機をご紹介します。


※参照元:日本テクノロジーソリューション公式HP(https://pack.solution.co.jp/lp/)
2025年1月10日調査時点